北鐘総会2021
北鐘 北海道大学工学部化学系東京同窓会
令和3年 第24回「北鐘」総会は、下記にて開催されました。
参加申込者は、110名に達し、内30名は現役学生ということで、オンライン開催であったことの利点がおおいに発揮された記念すべき会となりました。
講演資料については、非公開を前提に講演を行なっていただきましたので、個々には紹介しませんが、総会の中で【北大・応用化学系の近況】と題して、応用科学部門高分子化学研究室 佐藤敏文教授(合成化学工学科1992年卒)が紹介した近況について、WEBでの公開用に再構成していただきました。下記リンクよりご覧下さい。
【北大・応用化学系の近況】(pdf)
令和3年10月23日(土)16時30分~20時30分
総会 オンライン(Zoom)
懇親会 オンライン(Zoom)
《大学側講演》
北海道大学大学院工学研究院 応用化学部門 渡慶次 学 教授(琉球大学理学部 1991年卒)
『マイクロ流体デバイスを利用した分析・診断・合成』
《 会員側講演》
味の素株式会社 代表取締役副社長執行役員CDO 福士 博司 様(合成19期 1982年卒)
『味の素のデジタルトランスフォーメーション』
【総会の詳細】
大学側講演
渡慶次学(とけし まなぶ)先生を紹介します。 ご本人から紹介文を頂戴しました。
渡慶次学(とけし まなぶ)先生のプロフィール
1997年3月に九州大学大学院総合理工学研究科で学位(博士(工学))を取得した後に、日本学術振興会特別研究員(東京大学大学院工学系研究科)、(財)神奈川科学技術アカデミー研究員・副研究室長・研究室長、マイクロ化学技研株式会社代表取締役(2004年11月)、名古屋大学大学院工学研究科助教授(2005年12月)・准教授を経て、2011年11月(実際に来札したのは2012年3月)より北海道大学大学院工学研究院教授。マイクロ流体デバイスを利用した分析・診断・合成技術の開発に従事。 講演内容の簡単な紹介 北海道大学に着任してから始めた研究のいくつがやっと少し形になってきました。当初期待していた応用だけでなく、想定外の応用展開になっているものもあります。本講演では、これらの中から3つのトピック、蛍光偏光免疫分析法(用途:簡易分析・診断)、脂質ナノ粒子の作製(用途:ドラッグデリバリーシステム、ワクチン製造、基礎研究)、紙デバイス(用途:農林水産分野、ホームランドセキュリティ分野、教育分野)について紹介します。
いただいた情報は以上ですが、北大のWEBのプレスリリースに面白い記事が出ています。
タイトルは「新型コロナウイルスの高性能な抗体検査技術を開発~約20分で測定完了!現場診断やワクチン効果の定量的評価に貢献~(工学研究院 教授 渡慶次学)」
内容は、下記URLを参照ください。
https://www.hokudai.ac.jp/news/2021/06/20-2.html
会員側講演
今回、北鐘で初のオンライン講演会ということで福士さんに講演をお願いしました。
福士さんは、昨年「Japan CDO of The Year 2020」に選出されるなど、DXに関しては実業界で最も注目されている人物です。プロフィールと講演内容の参考となる情報をお伝えします。この話を北鐘総会で聞くことができるというのは、実はすごいことです。
福士 博司 氏のプロフィール
味の素株式会社 代表取締役 副社長執行役員 CDO(Chief Digital Officer) 北大工学院化学工学修士(1984)。同年、味の素株式会社入社。アミノ酸事業を中心に技術畑を経験。USQ(Univ. of Southern Queensland)でMBA、RU(Rushmore Univ.)でPhD(Business)を取得後、ヘルスケアを主体とした事業畑に転向し、専務執行役員アミノサイエンス事業本部長時代に事業改革を実行。現在は、代表取締役副社長、CDOとして全社のDXを推進中。
著書に「2000パーセントソリューション(和訳)」、「We Will Make the World Green」、「An Approach to the Environmentally Sustainable Business」など。
(参考)
リテラポプリ(北大の学外向け情報誌)の2016年9月号に専務取締役だったころの福士さんが三上副学長との対談記事が出ています。
https://www.hokudai.ac.jp/pr/Litterae_Populi_vol.57-5.pdf
講演内容の参考となる情報(ビジネス+ITの記事の抜粋)
味の素がDXに取り組んだ背景には株価の下落があった。同社の株価は、2016年の2,800円台から下落傾向になり、2019年には1,600円台へと移行した。2018年には抜本的な組織変革が求められ、DXを推進するために福士氏がCDOに任命された。DX化にあたり、味の素が掲げたKGI(重要目標達成指標)は・・・ 「DXにおけるKGIは『パーパス経営への転換』です。我々は2010年代まで経営規模の拡大に努めましたが、資本効率が悪くなり株価が低下しました。これを反省してサステナブルな企業へと生まれ変わるため、『食と健康の課題解決をする企業』として再出発することを決めました」(福士氏)
消費者から支持される企業になるために、同社は2030年までに「10億人の健康寿命を延伸する」「事業を成長させながら環境負荷を50%改善する」という2つの目標を掲げた。 この方針を実現するために福士氏は社内にDX準備委員会を発足。数年かけて委員会を専門部署に成長させながら、DX1.0~4.0まで4つのステップに分けてDXを推し進めた。